平成26年10月
高岡市民病院事務局

平成26年度高岡市民病院経営懇話会(第1回)の概要

  1. 日 時 平成26年10月28日(火)午後4時~午後5時30分
  2. 場 所 高岡市民病院講義室
  3. 出席者 ・高岡市民病院経営懇話会委員
    • 川渕 孝一氏(座長)
    • 稲尾 次郎氏(副座長)
    • 河村 拓栄氏
    • 小泉 弘子氏
    • 内山 郁代氏

    ・事務局

    • 野手院長、遠山副院長、加藤副院長、渡辺副院長、増山看護部長、
      原野事務局長、吉澤経営管理室長、木田総務課長、今井医事課長
  4. 協議事項
    1. (1) 平成25年度高岡市民病院事業会計決算の概要について(資料1)
    2. (2) 平成26年度経営改善に向けた主な取組みについて(資料2)
    3. (3) 高岡市民病院第Ⅳ期中期経営計画の今後の主な取組みについて
  5. 委員からの主な意見・質問及び病院の答弁

(1)平成25年度高岡市民病院事業会計決算の概要について

①新会計基準に基づくバランスシートの作成は、どのように進められているか。

〔回答〕

  • 平成25年度決算は旧基準に基づくバランスシートを作成することとなっており、決算 書類として公表することとなる。平成26年度決算からは新基準でのバランスシートを作成する。なお、平成26年4月の開始貸借対照表は新基準で作成している。

 

(2)平成25年度経営改善に向けた主な取組みについて

…特になし

 

(3)高岡市民病院第Ⅳ期中期経営計画の今後の主な取組みについて
②ハイケアユニットは24時間手厚い看護体制が必要となるとのことだが、看護師の労働時間が長くなるなどということはないのか。

〔回答〕

  • 看護体制は1人の看護師の定められた労働時間を限度として、必要な人員数が計算されることとなるため、労働時間が長くなるということはない。

③先日、臨床研修医のマッチング結果が出ていたが、高岡市民病院は4名の募集のところ2名のマッチングとなっていた。充足率は100%の方がよいのか。

〔回答〕

  • 若い医師が来るということは病院の活力につながることから、少しでも多くの研修医に来てもらいたい。しかしながら、研修医は都会に集まる傾向が続いており、地方都市において研修医を確保することは難しい。

[意見]稲尾委員

  • 国では、今後の人口動態や医療需要などに基づき地域医療ビジョンを都道府県が策定し、医療圏に必要な医療供給体制を整備するとしている。また、長期的には急性期を必要とする患者数が減少し、高齢化の進展により医療効率の悪い患者層が増えていくことが予想される。こうしたことを踏まえながら、高岡市民病院の医療供給体制の強化策は急性期医療を担いながら収益性を高める施策であると理解している。
  • 高岡市内では、JCHOふしき病院、済生会高岡病院が地域包括ケア病棟を設置した。高岡市民病院は、こうした地域包括ケア病棟を有する病院との連携が重要になると思われる。

[答弁](意見に対して)

  • こうした医療提供体制の強化策は、患者サイドの視点では必ずしも納得できる形ではないという矛盾も内包している。つまり、平均在院日数が短くなるということは、早期の退院を促されるということである。しかしながら、こうした施策に取り組まなければ、急性期病院として生き残れず、ひいては高岡医療圏の急性期医療提供体制が崩れることにつながってしまいかねない。そうしたことから、病院完結型医療から地域完結型医療への転換を図る必要性があるが、これには病院、診療所だけではなく、患者、家族の理解がないと成立しないものであり、理解いただけるようにしていきたい。

[意見]川渕座長

  • 医療提供体制強化策についての収益性について、全て増収が見込まれるとのことであるが、緩和ケア病棟は、多くの看護師が必要となり、また病棟改修等にも多額の費用が必要となる。収入増にはなるが、一方で費用増にもなる。そうした面も踏まえて収益性があるとの判断なのか。
  • ハイケアユニットについては、重症度・医療看護必要度の基準が厳しくなっているが、そうした重症の患者が一定程度確保されるということか。

[答弁](意見に対して)

  • 緩和ケア病棟に限らず、この施策については、現在の職員数を変えずに内部の体制変更により行うこととしている。また、外来化学療法室の拡充に伴う外来化学療法が増加することによる薬品費等の増加など、見込まれるものは全て見込んだうえで試算したものである。また、病棟の改修費用についても、躯体は現在のもの利用して改修を行い、コストを抑えることとしている。
  • 現在の患者の動態を踏まえたうえで、6床ならば取得可能と考えている。

[意見]河村委員

  • 金融庁では近年、スリーラインディフェンスという概念を提唱している。これは、病院でいえば、現場サイド、管理サイド、検証サイドの3つのラインでリスク管理を行うという考え方であるが、これは、大変重要なものであり参考としてはどうか。
  • 病院内にも様々なシステムが稼働しているが、大きなコストがかかるものである。システムというものは、利益に貢献するか、費用の削減につながるか、いずれかに当てはまる必要のあるものである。システムについては、まだまだコストの削減の余地があると考えられ、例えば、他病院等とのシステムの共有化なども進めることも検討しては。

[意見]小泉委員

  • 医療提供体制の強化策という新しいことに取り組むということは、看護師に大きな負担が発生すると思われる。看護師の中には家庭を持ち、子育てなどを行っている方も多いと思われる。家庭という基礎があっての仕事であることから、精神的にも肉体的にも重労働である看護師への負担に対するケアなどを行うことで、より良い看護が行えると考える。

[答弁](意見に対して)

  • 子育てや介護など家庭のことを行いながら、働けるように環境を整えていきたいと考えており、今年度から、ワークライフバランスの委員会を立ち上げ、ワークライフバランスの向上を図ることとしている。職員を大切にすることが、患者の接遇を向上させることにもつながると考えており、こうした取組みを進めていきたい。