1.研究の対象

 2011年1月以降に参加施設を受診されたがん患者さんが対象になります。

2.研究目的・方法

 本研究では、院内がん登録とDPC(Diagnosis-Procedure Combinationと呼ばれる、診療データ)の一元管理を試み、がん医療の実態を把握するデータベースを構築し、その活用法を検討することを目的としています。

 始めに、 本院でDPCデータから、氏名・診察券番号を削除し、代わりに院内がん登録で個人情報を削除した際に置き換えられた専用番号を付けたものを、国立がん研究センターに集積して、データベースを作ります。そのデータの一つの活用法として、診療ガイドラインで推奨されている一定の範囲の標準診療実施率を中心として、その他患者さんが受けている診療の実態を記述します。このようなデータにより、標準診療実施率算定が適切かどうかを検討し、施設における治療方針を検討したり、国のがん政策への基礎資料を提供したりすることが可能になります。研究実施期間は令和4年3月までで、 国立がん研究センターの倫理委員会の審査を経て延長される可能性があります。

3.研究に用いる試料・情報の種類

 本研究では、情報として院内がん登録とDPCデータを用います。このデータに含まれる情報は以下のものが挙げられます:
性別、 診断名、 診断年月、初回治療方針、ステージ、施設名、入退院年月日、診療明細等

4.外部への試料・情報の提供・公表

 院内がん登録の専用番号と参加施設の診察券番号の対応表は、本院において院内管理者が鍵のかかる場所で管理します。研究事務局へのデータの提供は、アクセス権を付与された担当者のみが利用できるシステム上で行われます。収集されたデータは国立がん研究センターの高セキュリティ領域に保存され、研究責任者により個別のアクセス権を付与された者のみがアクセスできる状態で保管されます。外部へのデータの提供は行いません。外部への成果の公表は、学会・論文発表あるいは 公開の報告書といった形で行われ、学術・がん対策に活用されます。報告に際しては、常に集団を記述する数値データのみの報告とし、個人が特定される可能性のある個別データの報告・公表は一切行わず、かつ特定の個人が発表成果から同定できないように十分に配慮されます。

5.研究組織

国立がん研究センターがん対策情報センターがん臨床情報部
全国の院内がん登録実施施設のうち協力施設